SDGs

静岡の山間地では毎年およそ7キロの害獣ネットが張られています。長年育林事業を営む中でネットの破れ、崩れなどで機能しなくなったものが放置されていることに疑問を感じていました。

きれいな山の環境を残すために、機能しなくなったものや役目を終えた害獣ネットを回収したいと考えていますが、現状ではこれらを回収するすべがなくその方法を模索し働きかけをしています。 2022年1月


始まりから記事を読みたい方はスクロールして一番下の記事からご一読ください

NEW


剪定や伐採で回収した樹木は処分場へ持ち込み、パルプの原料として再利用されます。


山には数々のゴミが不法投棄されています。廃プラスチックを回収し、処分場へ運びました。あき組で契約している処分場では、廃プラスチックをサーマルリサイクルし、熱エネルギーとして利用しています。


令和5年4月

害獣ネット回収用のポスターを作製し、各関係各所に配布しました。



令和4年12月

県議会から提出した陳情に対する措置状況の回答が得られました

【措置状況】

植栽と併せて害獣対策で設置するネットは、苗木の頂芽の食害防止だけでなく、成長後の剥皮被害防止の機能の発揮も求められていることから、可能な限り長期にわたって森林内に設置しておく必要がある。

一方で、倒木や土砂の流出などによりネットの一部が破損し、機能が発揮されない状態となっている場合があり、定期的な見回り等による維持管理を徹底し、機能の維持を図っていく。

また、破損が著しく再利用が困難なネット等の資材については、現地に残置することなく回収するよう指導を行っていく。

という回答が得られました。

”現地に残置することなく回収するよう指導を行っていく”という返答が得られたことは私たちにとって大きな前進です。


令和4年9月

産業廃棄物収集運搬の許可を取得しました

海や河川のゴミは一般廃棄物として誰でも処分することができますが、山の害獣ネットは産業廃棄物として適切な処分が必要です

許可を得たことでこれからは農家や林業、事業所から出た産業廃棄物を回収することができます

害獣ネット回収にも一歩近づきました

第02201230084号


令和4年8月

山の害獣ネットは補助金で張られていますが、張った後は持ち主の管理になり機能しなくなった害獣ネットがそのまま放置されている箇所があります。

山のきれいな環境を残すために機能しなくなった害獣ネットを回収したいと考えていますが、現状では回収するすべがなく、県議会に害獣ネットの設置だけでなく回収にも補助金が出るよう陳情書を提出しました。



令和4年1月

害獣ネットを回収するために必要な産業廃棄物収集運搬業の許可を得るため、講習会にて試験を受けました。


昔山での作業中害獣ネットに絡まった子カモシカを助た時の写真です。

作業中に鳴き声が聞こえたので行ってみると親子のカモシカが害獣ネットに絡まっていました。残念ながら親カモシカは助けることができませんでしたが子は無事助けることができました。荷台に乗せた子カモシカは落ち着かない様子で運転席へ来たり膝の上へ乗ってきたりと、とても人懐こかったです。今では成長してどこかの山で親カモシカになっているかもしれません。

スギやヒノキのやわらかい新芽をカモシカや鹿の食害などから守り、木が成長してからは角とぎや幹の皮むけを防ぐ目的で、該当する箇所には害獣よけのネットを張ってから植え付けを行います。

上の写真は正常に機能した害獣ネットですが、それでも鹿が穴をあけて入ってしまったり、飛び越えて入ってしまう所があるので長年頭を悩ませているようです。複数の現場には糞が見られるところもあり害獣ネットの中に鹿が入ってしまっていることがわかります。

山林害獣ネットの設置は平成11年頃から始まった事業で、もともとは漁師さんの網が余ってしまい活用する方法がないかということで山に張られるようになったそうです。当初は塩の付いたネットを山に張るのはどうかという意見もあったようですが、その後山林専用の害獣ネットが作られるようになったと林野庁の方が教えてくださり、網の再利用から始まったことだったと意外な経緯を知りました。